一流の”おひとり様”、その背中を追いかけたい

エッセイ

一人暮らしが長くなれば、自然と一人でご飯することにも慣れてくる。

はじめの頃は注文にも緊張していた小心者な私でも、現在ではその堂々たる風格たるや、
立派に”おひとり様”を全うしていると思う。

今日も当たり前のようにおひとり様時間を満喫し、空腹を満たすべくお店に入った。

店内は家族連れやカップルが多かったけれど、案内されたカウンター席にはおひとり様が並んでいた。

ワイン片手に和風スパゲッティをいただくマダム

注文を済ませてお食事が運ばれるまでの間、スマホで時間を潰していたところに隣席のお食事が届いた。
美味しそうなにおい。
思わず横目で器に並ぶ品物を盗み見てしまった。

メインはスパゲッティ。
隣りに小皿が並び、木杓子と取り皿。その奥にワインが置かれていた。

入ったお店はスパゲッティの専門店で、メニューは和風の味付けが多い。
店内や食器も和風で統一されていて、箸やれんげ等の小物は木製で統一され、お皿もコップも陶器だ。

それにも関わらず、ワインを一口飲むだけで空気が一変する不思議。
ひとりで食事と対峙する時間を楽しむ、優雅なマダムの出来上がりである。

ワイン片手にサイゼリヤでチキン&ペペロンチーノを食すマダム

優雅なおひとり様に対するあこがれは、サイゼリヤでチキンとペペロンチーノを食べながら本を読んでいたマダムから始まっている。

▼過去にもなんか言ってるな
サイゼリヤで優雅なディナーを食す


ワインという飲み物が与えるイメージなのか、グラスが与えるイメージなのか。

彼女たちを見ていると、何事にも上には上がいることを思い知らされる気がする。

ひとりで食事をすると、どうしても事務的に流れ作業のような時間を使ってしまうことが多い。
生物である以上、何かお腹に入れなければ空腹の通知機能が鳴りやまない。
それなら食べようと、あまり食べたくないものでも食事として”済ませて”しまう。

しかし、彼女たちの纏う空気感はそうではない。
紛れもなく食事を”味わって”いる。
ひとりで食事をする際の”楽しみ”を追求し、自分を癒す術を持ち合わせたうえで食事に挑み、
それを自分への養分として享受している。

果たして私は、

自分を幸せにする養分を取れているのかしら。

本当に必要な食事を楽しめているのかしら。

一流の”おひとり様”を目指す

一流のおひとり様までの道のりは、思った以上に遠いかもしれない。

ただ闇雲に自己分析を重ねて、食事という快楽を貪るだけではきっと得られない。
一人一人が異なるメソッドを持ち、そこに行きつくには通らなければならない道が絡み合うようにも感じるけれど、案外簡単に行き着いてしまう気もする。

究極のひと口を求めて、一流のおひとり様たちの背中を追いかけていきたい。



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