”一瞬”に宿る美

エッセイ

天気の良い日は、お散歩をしてカフェに立ち寄るのが楽しみのひとつ。

コーヒーを飲んでひと息ついていたところ、
目の前の窓越しに、ひとひら、桜の花びらが舞い散りました。

春だなぁ~~🌸

お日様の光を浴びながら、四季を感じられる瞬間は幸せだと感じます。

私、歌舞伎を観るのも趣味のひとつなのですが、
以前に雑誌で歌舞伎役者さんのインタビューが掲載されていまして、

「歌舞伎の舞台では、どの一瞬を切り取っても美しくなければならない」

といった内容の受け答えをされていたことが強く印象に残っています。

歌舞伎の舞台は他芸術と比べても独特といいますか、
例えば西洋のオペラでしたら、もダイナミックな技と演技で魅了しようという意識が強く、舞台セット等に凝るというよりは、演者の色が強調されているように感じます。

対して歌舞伎は、舞台セットが大変鮮やかで細かいんですよね。
作品の演出によっては、舞台上部から花吹雪が舞ったり、大量の水が降ったりと、とにかく場面ごとの視覚映像に語りかけるこだわりが半端ない!
これは化粧で役どころを表現したり、見得を切るという技法からも感じられる通りですね。

日常の中、日々生きている中でも、ふとした瞬間だったり、忘れられない想い出だったり、とある瞬間の情景や感情がいつまでも胸の奥に焼き付くことがあります。

移ろう生の儚さ、その一瞬に宿る美を芸術に落とし込む緻密さがまさに日本人らしいといいますか、西洋にはない独自の魅力だと感じます。

私達の人生も、繰り返される世の理の中では一瞬の儚いものです。
一瞬の命を輝かせて生きていたいものですね。


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