カフェでおにぎりセットを注文したところ、お漬物とお茶がセットでついてきた。
何度も見たことのある付け合わせがゆえに言わずとも美味しいとわかるから、脳が無言で警報(空腹の音)を発してくる。
納豆とごはん、お味噌汁が並ぶ朝食や、生卵をお米に流した瞬間の泡と米粒が絡んでいる情景とか、見なくても脳内に浮かぶほどに沁みついている「これは美味しい」の常識。
あれって食育や各々の育った環境による部分が大きいと思うんだけど、
様々なものを食べ歩いて、家庭環境も違う人間が最終的に「美味しい」って言うんだから、やっぱり遺伝子的に累々受け継がれる「日本人の血」ってやつは濃いのだろうか?
「おにぎり」の起源
おにぎりのはじまりはというと、文献上では平安時代に食べられていた「頓食(とんじき)」という食べ物らしい。(ただ弥生時代の遺跡から日本最古のおにぎりが発見されたそうで、正確な時代特定は難しい様子)
稲作が伝わり、神様へのお供えものや厄除けという役割であったおにぎりであるが、戦が常となる時代には戦陣食として知られるようになった。
平和な世になればその需要は低迷するのかと思いきや、江戸時代には海苔が巻かれた現代の元となるおにぎりが登場する等その人気は衰えることを知らず、いつの間にか行楽に欠かせないアイテムに腰を据えており、令和と呼ばれる現代では数えきれないほどの種類のおにぎりが発明された挙句に「悪魔のおにぎり」と呼ばれるものまで登場した。
まさか卑弥呼も、厄除けお供え物が何万年の時を超えて悪魔になろうとは思うまい。
世界に羽ばたく「おにぎり」
コンパクトで持ち運びやすく、ヘルシーであるおにぎりの需要は右肩上がりのようで、日本国内に留まらず海外でも人気が高いとの噂。
なにやら某英国の美しすぎる魔女は、来日の際におにぎりの食べ歩きを実施したというニュース記事を見た。
平安時代は、鳥の卵に似ていることから「鳥の子」なんて洒落た名前で呼ばれていたそうだが、気付けば孵化して世界に羽ばたいていたらしい。
何万年もの間、虎視眈々と愛され者の座を守り続け、国の代名詞と言っても過言ではない地位に鎮座する野心溢れる生き様を思うと、そのポテンシャルは想像するだけで恐ろしいものがある。
彼らが世界を征服する未来も、そう遠くないのかもしれない。
何はともあれ、今日も美味しいお米が食べられる幸せ。
艶々のお米を生み出してくれる農家さんに感謝。
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